【9】クラウドファンディングの適正な目標金額の設定方法を徹底解説

クラウドファンディングで資金調達をする場合、目標金額を適正に設定できなければ、せっかく資金が集まっても赤字になったり、プロジェクトが実行できない事態になったりしてしまいます。

この記事ではクラウドファンディングでの適正な目標金額の設定方法について解説します。

プロジェクトの目標金額とは

クラウドファンディングで設定する目標金額は、必要資金ではありません。
理由はクラウドファンディングにはさまざまなコストがかかるため、必要資金と併せてそれらのコストを考えておく必要があるからです。

目標金額を設定する際には、以下の4つを考慮して決定します。

1. 必要資金
2. クラウドファンディングサービスの手数料
3. リワード関連のコスト
4. その他のコスト

1. 必要資金

必要資金はプロジェクトを実施するために本来必要な資金です。

例えば、店舗の開店資金を500万円集めたい場合、必要資金は500万円となります。しかし、実際には必要資金の一部を設定したプロジェクトの方が成功確率は高いと言われています。
その他の方法で事前に資金を集め、クラウドファンディングで足りない金額を補填するという考え方です。

「これだけの資金調達ができているもののアイディア実現にはあといくら足りない」とクラウドファンディング以外で資金調達ができていることを示すと、支援者からの共感を得られる可能性が高まります。

全体コストのうちの不足金額がより具体的に見えることで、「そこまで出来ているなら安心だ」「それなら支援してみよう」という支援者の信頼や共感につながるのです。

2. クラウドファンディングサービスの手数料

一般的にクラウドファンディングサービスの利用手数料は20〜30%が主流で、『ファインクラウド』では、プラットフォーム利用手数料が25%となります。
利用するクラウドファンディングサービスの手数料を考慮して、設定しましょう。

また、手数料が安ければ資金調達の設定金額を下げることができますが、必ずしも安いから良いというわけではありません。プロジェクトのジャンルや利用者の人数などを考慮してクラウドファンディングサービスを選ぶように心がけましょう。

3. リワード関連のコスト

リワード関連のコストはリワードの原価、配送費などのコストで、一般的に目標金額の20%と言われています。

配送費はサイズ・配送量や配送スケジュールによっても変動する可能性があるので、事前に複数の配送業者から見積りを入手しておくようと、より正確なコストを算出することができます。

4. その他のコスト

クラウドファンディングで資金調達をする場合、手数料やリワード以外のその他のコストが発生します。
事前に何にいくら程度見込んでおくべきか知っておくことで赤字になる事態を回避することができます。

プロジェクトページに掲載する素材の作成費用
写真撮影:出張カメラマンなどを利用すると4~6万円程度
動画制作:撮影と編集作業。数十秒程度で10万円以上

支援を集めるためのPR活動
チラシ制作:デザイン 1万円、100部印刷 2,000円
イベント会場費:レンタルスペースの使用料は1時間数千円以上
プレスリリース:1配信3万円程度

プロジェクトのPR費用は、どの程度実施するかによって目標金額に大きく影響します。
目標金額が高すぎる場合は、必要資金を見直したり、コスト削減を図ったりしましょう。

出資額を事前に見積もる「3分の1の法則」

クラウドファンディングでは、SNSで注目を浴び他人からの資金調達で成功するプロジェクトもありますが、それほどうまくはいきません。

そのため、クラウドファンディングで資金調達をする前に出資額を見積もっておくと、目標金額が妥当なのか精査することで成功確率を高められます。

クラウドファンディングには「3分の1の法則」と言われるものがあります。
「目標金額の3分の1」が、面識のない人から集める金額であれば調達に成功しやすいと言われています。残りの3分の1は「家族や友人・知人」など自分の知り合いから、さらに残りの3分の1は「友人・知人の知人」など知人の知り合いからの支援です。

目標金額を設定するときは、家族や友人・知人から得られそうな出資金額の見込みリストを作成します。
見込みリストの合計金額が3分の1以上を占めれば目標金額として妥当とみなせますが、それ未満であれば目標金額を再考した方が良いかもしれません。

まとめ

この記事ではクラウドファンディングの適正な目標金額の設定方法を解説しました。

クラウドファンディングでプロジェクトを成功させるためには適正な目標金額の設定が欠かせません。必要資金以外に、何にいくらコストがかかるのかを把握し、出資者リストを作ることで事前に目標金額が適正なのかを確認しましょう。

目標金額の内訳が具体的であるほど支援者の信頼と応援する気持ちにつながり、支援を得やすくなります。また、3分の1の法則をふまえて目標金額が高すぎる場合は、費用削減できるところがないか再検討し、再設定することをおすすめします。

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